Q.住宅ローンは家が建つ前から払わなくてはならないのでしょうか?

住宅ローンの支払いについて、以前から不安に思っていることがあるので、質問します。

現在、賃貸暮らしなのですが、ゆくゆくは自分の家がほしいということで、住宅ローンを組むつもりでいます。

そこで、前から気になっているのが、住宅ローンを払い始める時期についてです。

家が建ってしまってから払い始めるのなら、家賃と住宅ローンの返済が時期的にかぶらないので、家計の負担が薄いと思うのです。

ですが、もし、家が建つ前から払わなくてはいけないとしたら、家が建つまでは家賃と住宅ローンを両方払わなければいけなくなってしまわないでしょうか?

それだとさすがに厳しい気がするので、住宅ローンを組むのを、予定よりも先延ばしにしなくてはなりません。

実際のところ、どうなのでしょうか?

A.住宅ローンの支払いを始める時期には2種類あり、ともに一長一短です。

住宅ローンの支払いが、家が建つ前から始まると、家賃の支払いと重なって負担になるのでは、というご質問ですが、結論から申し上げますと、そうなるかどうかは、その住宅ローンのタイプによって変わってきます。

住宅ローンの支払いが開始される時期には、大きく分けて2つあります。

ひとつは、<住宅ローンの審査を通って、本決まりになったら、支払いが開始される>、というものです。

このタイプの住宅ローンですと、本決まりになったら、すぐに住宅ローンの返済を始めなくてはなりません。

これは、対象の住宅が完成しているかどうかとは、関係がありません。

工事中であろうが何であろうが、本決まりになったら返済を始めなくてはなりませんので、賃貸に住んでいらっしゃる場合、当然、家賃の支払いと住宅ローンの返済がかぶる時期が出てきます。

どちらも支払わなくてはなりませんので、その期間は、当然のことながら、家賃も住宅ローンも、両方とも支払うということになります。

こう書くと、金銭的な負担ばかり大きくて、メリットがないように思えますが、実際はそうではありません。

家を建てるにあたっては、家が建つよりも前に、土地の購入代金や、建築会社への前払い金などを支払う必要があります。

住宅ローンが通って、返済を開始しているということは、こういったお金に関しても、住宅ローンでまかなってもらえるということです。

ですので、家賃と住宅ローンの二重払いの期間はありますけれども、あらかじめ、別途、お金を用意しておく必要がないので、そちらの面での負担はないのです。

住宅ローンの支払い開始時期に関するもうひとつのタイプは、<家が建って、引き渡しが完了したら、支払いが開始される>、というものです(正確には、抵当権の設定によって、開始されます)。

このタイプですと、家賃と住宅ローンの二重払いの期間はなくて済むのですが、土地の購入代金等は、何らかの形で、別途、ご自分で用意されなくてはなりません(そのための融資もあります)。

住宅ローンの支払い開始時期に関しましては、以上のようになっていますので、どちらのタイプもそれぞれ、一長一短、ということができます。

家賃と住宅ローンの二重払いに関してだけでなく、土地の購入代金等の捻出方法についてもご考慮いただいた上で、ご決断いただければと思います。