Q.住宅ローンのキャンセルは可能ですか?

住宅ローンの申し込み後、仮審査、本審査と順調にパスしていたのですが、思わぬ諸事情の変化によって、新居の必要性がなくなりました。

予定通りに住宅を購入しておいて貸し出せばよい、との助言ももらったのですが、現時点において、特にそういった形での収入は求めておりませんし、また、そのためだけに住宅ローンの返済を続けるというのも本末転倒のような気がします。

自分の希望としては、住宅ローン自体をキャンセルして、すべて無かったことにしてしまいたいのですが、そういったことは可能でしょうか?(金銭消費賃貸契約は、まだ結んでおりません)。

A.可能ですが、多少の出費は覚悟する必要があります。

ご事情の変化によって住宅が不要となったため、住宅ローンをキャンセルすることは可能かというご質問ですが、金銭消費賃貸契約はまだということですので、普通に可能です。

ただし、いくらかの出費は必要となります。具体的には、以下にご説明します。

まず、住宅ローンのキャンセル自体についてですが、これに関しましては、特に問題なく、可能なはずです。

こういったケースはないわけではありませんので、たとえ今回キャンセルされたとしても、将来、住宅ローンを組まれる際にマイナスに働くこともないでしょう。

ですので、そういった面での心配をされる必要もありません。

ただ、住宅ローンのキャンセルというのは、先方にとっても大きく予定が狂う結果となってしまいますから、いったんキャンセルを決められたのであれば、できるだけ早いうちに、そのむね、連絡しておかれる方がよいかと思います。

もちろん、金銭消費賃貸契約の当日であってもキャンセルは可能なわけですが、先方にも迷惑がかかることですので、早めにお気持ちをお伝えいただいて、双方ともに気持ちよく終わりたいものです。

次に、金銭面での影響について、ご説明します。

これに関しましては、業者さんによってもまちまちなので一概には言えないのですが、考えられる可能性としましては、<手付金の放棄><違約金の支払い><仲介手数料の支払い>といったものが挙げられます。

ただし、これらにつきましては、かならず全てを支払わなくてはならなくなる、といったものではなく、ケースバイケースです。

上記の3つの中で一番可能性が高いのが、手付金の放棄です。

キャンセルした代償として手付金を放棄することで、双方合意の上、それ以上の出費は請求せずに、幕引きとするものです。

一般的なパターンとしては、これが一番、多いのではないかと思います。

次にあり得るのが、手付金の放棄に加えて、違約金も支払うというケースです。

違約金となりますと、契約内容によりますが、最大で売買代金の20%ということになりますので、かなりの高額になる可能性があります。

ただし、これに関してはかならず支払わなければならないというものではなく、こちらが納得できなければ、最終的には裁判所に判断してもらうといったことも可能です。

また、高額と言いましても、住宅ローンをそのまま全額返済することに比べれば、はるかに安く済むということは、言うまでもありません。

仲介手数料については、請求される場合もあれば、そうでない場合もあり、本当にケースバイケースです。

これはあくまで一般論ですが、業者さんから見て納得がいかないケースなどでは、請求される可能性が高いようです。

また、上記の3つ以外にも、印紙代や担保調査手数料などを支払わなければならなくなる場合があります。

いずれにせよ、それなりの出費は必要となりますが、住宅ローンのキャンセル自体は特に問題はありません。

必要のなくなった住宅のためにローンの返済を続けるというのもおかしな話ですので、速やかにキャンセルを申し出ていただいて、あとは金銭面について、当事者間で詰めていただければと思います。