Q.住宅ローンの支払いが定年後まで食い込むのはまずいですか?
30代後半の正社員です。現在、住宅ローンを検討中でして、かなり具体的なところまで行っています。
ひとつ、決めかねていることがありまして、それは住宅ローンの支払期間のことです。
現在、検討している住宅ローンですと、住宅ローンの支払期間が定年後まで食い込む予定になっています。
こちらとしても、いろいろと考えてそのような予定になっているのですが、「定年後も住宅ローンの支払いをするのは、考え直した方がいい」などの意見もあって、迷っているところです。
住宅ローンの支払いが定年後に食い込むのは、やはり、避けた方がよいのでしょうか?
A.一般論から言えば、避けた方が無難です。
住宅ローンの支払いが定年後まで食い込む予定だとのことですが、あくまで一般論として言えば、避けられた方が無難です。
ただし、ご自身の経済状況等によっては構わない場合もありますが、そのようなケースでしたら、むしろ、繰り上げ返済してしまった方がよいのではないかと思います。
正社員の方ということで、おそらく定年まで現在の会社にお勤めになる予定かと思うのですが、まず、注意しておかなくてはならないのは、ある年齢を過ぎると、たとえ同じ会社に勤め続けていても、年収が減るケースがほとんどだということです。
特に50代も後半になりますと、かなりのペースで年収が減っていくことが予想されます。
また、お子さんなどがいらっしゃる場合ですと、学費等で家計への負担が急増する時期でもあります。
つまりは、現在までの年収や支出の推移をベースにして、将来の経済状況の想定をしておられるのでしたら、すこし目算が狂うことにもなりかねない、ということです。
当初の予想よりも年収が減って、しかも支出が増えた状態で定年後に突入しますと、その状況での住宅ローンの返済はかなり負担になるということは、お分かりいただけるかと思います。
ですので、住宅ローンが定年後まで食い込むような状況には、なるべく、しないこと(=そのような形での住宅ローンは、なるべく、組まないということ)、そして、もし組まざるを得ない場合には、繰り上げ返済を活用して、定年前に返済を完了させてしまうよう努力されることが重要かと思います。
なお、何らかの事情によって、資産が十分におありになる場合であれば、上記のようなことは気にされる必要がありません。
しかし、そのような状況であるのならば、お持ちの資産を活用して早期に返済を完了された方がよいのではないかと思われます。
早期に返済を完了されることで、支払う総額も減りますし、先の心配もなくなります。
ですので、どちらのケースにせよ、定年までに返済を完了させるよう努力されることをおすすめさせていただきます。