Q.住宅ローンの審査を、一度にいくつも受けるのはまずいですか?

いい物件があったので、住宅ローンを組もうと思っています。

住宅ローンの審査には、自分では大丈夫と思っていても落とされることもあり得るという話を聞きましたので、最初から複数の住宅ローンに審査の申し込みをしようと思っています(5~7程度を予定しています)。

ところが、一度にいくつも申し込みをするのはよくないと家族に反対され、困っています。

どうせ書類を書かなくてはいけないのなら、一度に済ませてしまった方がずっと楽だと思うのですが、何か、まずい理由でもあるのでしょうか?

(反対されている理由は信義に反するからというものなのですが、住宅ローンの申し込みに信義も何もないと思うのですが……)。

A.大事を取るのであれば、一度にたくさんお受けにならない方がよいでしょう。

住宅ローンの審査の申し込みを5~7つ程度、一度に行ないたいのだがどうかというご質問ですが、結論から申し上げますと、避けられた方が無難かと思います。

理由としましては、住宅ローンの申し込みを一度に複数された場合、審査に通りにくくなる可能性があることが挙げられます。

なぜ、そのような可能性が生じるのかといいますと、カードローンやキャッシングの多重申し込みと同じような理由によるものです。

カードローンやキャッシングの審査を申し込む場合、「どこでもいいから早く受かればいい」という考えで、一度に複数の会社に申し込みをされる方がおられるのですが、これは<多重申し込み>と呼ばれる行為で、これを行なった場合、全ての審査に落ちる可能性が高くなります。

実は、カードローン等の会社では、誰から審査の申し込みがあったかという情報を共有しておりまして、一度に複数の申し込みをするということは、よほどお金に困っているか、よほど貸してくれるところがないかのどちらかだと判断されてしまう可能性が高いのです。

お金に困っていたり、貸してくれるところがなくなってしまっている人にお金を貸しても、円滑な返済は望み薄ですから、そうと判断された方に対しては、最初から融資を行なわない(=審査を通さない)ということになってきます。

つまり、実際にはそうでなかったとしても、一度にたくさんの申し込みをしたために、<返済を期待できない人>と判断されてしまうということです。

住宅ローンの場合にも、これと同じことが言えるのです。

一度にたくさんのところに審査の申し込みをされた場合、何かの事情でよほど焦っているか、すでにあちこちで断られている人、という風に見られる可能性があります。

ということは、トラブル含みの人、と判断されてしまいますので、審査を通る確率が低くなる可能性があるということです。

もちろん、カードローンやキャッシングと住宅ローンでは、性格が多少、異なりますが、不利に働く可能性があるのであれば、積極的にされる必要はないのでは、ということです。

実際の対応に関しては、各金融機関によってまちまちかとは思いますが、特にお急ぎでない場合、大事をとられるのであれば、できれば1つずつ、多くても一度に2~3程度の申し込みにとどめておかれるのがよいかと思います。

こういった融資の場合、一度、何かでレッテルを貼られると、後々はがすのが大変になったりします。ですので、そういった危険性のあることに関しては、極力避けられた方が無難だということです。