Q.ノンバンク系の住宅ローンについて教えてください。

そろそろ家がほしいと思い、某銀行の住宅ローンの審査を受けたのですが、落とされてしまいました。

ある人から、「住宅ローンの審査は、ノンバンクの方が通りやすい」という話を聞いたので、今度、ノンバンクの審査を受けようかと思っています。

ただ、ノンバンクの住宅ローンについては考えたこともなかったので、あまり情報を知らず、不安です。

ノンバンク系の住宅ローンについて、注意する点などありましたら教えてください。

A.審査はゆるいが、金利は高めです。

ノンバンク系の住宅ローンについてのご質問ですが、以下に順を追ってご説明します。

まず、大まかに申し上げますと、ノンバンク系の住宅ローンは、知人の方がおっしゃられている通り、審査がゆるめで、銀行等に比べますと、審査を通る確率が高くなっています。

この点に関しましては、キャッシングやカードローンなどでの、銀行系とノンバンク系のようなものだと考えていただければよいかと思います。

ただ、審査が通りやすいということは、ある意味、注意すべき一面も持っています。

審査がゆるいということは、<返済の可能性が低い方でも、住宅ローンを組める可能性が高い>ということにもなります。

ですから、住宅ローンの審査の結果うんぬん以前に、<ご自分で、ご自身の経済状態や人生設計をしっかり確認しておかれる>ことが重要になってきます。

審査が厳しいところでしたら、返済能力等についてキッチリと確認されてから審査の合否が下りますが、審査がゆるいということは、<返済能力にやや不安がある場合でも、借りられてしまう場合がある>わけです。

そうなりますと、<せっかく審査を通って家を持ったのに、途中で返済に行き詰まり、結局は家を手放すしかなくなった>なんてことにもなりかねませんので、審査をお受けになる前に、ご自分の経済状態で可能かどうかをしっかりご判断いただいた上で、審査をお受けになることをおすすめいたします。

なぜ、こういったことを申し上げるのかといいますと、ノンバンク系の住宅ローンは、一般に、金利が高い傾向にあるためです。

この点も、ノンバンク系のキャッシング等と似ています。

金利が高いということは、それだけ利息もかさむということです。先に銀行の審査をお受けになったとのことですが、その時と同じ見通しでノンバンク系の審査をお受けになった場合、たとえ審査を通ったとしても、銀行の住宅ローンに比べて、利息の額がぐっと増えますから、返済し続けていくのは、かなり難しくなることが予想されます。

では、なぜ、ノンバンク系の住宅ローンは金利が高めになっているのか、ということについてですが、実は、ノンバンク系単独で住宅ローンを組まれるケースはあまりなく、一般的には、<住宅ローンを組んだけれども、それでもまだ足りない差額分を補うために、ノンバンク系を利用>といったケースが多いためです。

ちなみに、ノンバンク系の住宅ローンに関連してよく話題に出てくるのが、「最初は審査のゆるいノンバンクで借りて、数年したら金利の安い銀行等の住宅ローンに借り換えればよいから」という話なのですが、ノンバンク系の住宅ローンの場合、必ず実現するとは限りませんので、この点にも注意が必要です。

考えてみれば当たり前のことではありますが、借り換えの際にも審査はあるわけです。ノンバンクだから審査に通った、というケースですと、借り換えをしようと思っても、銀行側の審査を通らない可能性が出てきます。

また、ノンバンク系の住宅ローンによっては、借り換えの際に高額な手数料をとられることもあります。担当の方のお話だけをうのみにされるのではなく、あらかじめ商品説明書等をしっかりチェックして確認しておかれることが重要となってきます。

以上、いろいろと申し上げましたが、経済状況等には問題がないのに、なぜか審査を落ちるといった場合、ノンバンク系の審査をお受けになってみるのも、ひとつの有効な手段かと思います。

メリット、デメリットをしっかり把握していただいた上で、有効にご活用いただければと思います。