Q.返済中に転職した場合、住宅ローンへの影響はありますか?
現在、住宅ローンを返済中の40代男性です。
住宅ローンを組んでから10年以上経ちますが、家計もそう楽ではなく、月々の返済こそ滞納がありませんが、有効だとうわさの繰り上げ返済は、ほとんど活用できずに、ここまで至っています。
質問というのは、転職に関することです。
実は、諸事情から、3ヶ月ほど前に、転職をいたしました。
さいわい、住宅ローンの返済への影響はなく、現状の額でしたら、これからも返済を続けていけそうです。
気になっているのは、転職したことが原因で、住宅ローンの返済額等を変更されてしまうのではないかということです。
住宅ローンの審査を受けた時とは条件が変わってしまったのですから、返済額等も、それに合わせて変更されてしまうのではないかと不安です。
現在、そういったことが心配で、転職のことを銀行側には連絡していないのですが、これ自体もよくないことなのでしょうか?
転職が住宅ローンに与える影響や、銀行側に連絡する必要があるか等について、教えてください。
A.基本的には気にする必要はありません。
転職されたとのことで、転職によって住宅ローンに影響があるかどうか、また、転職の事実を連絡する必要があるかとのご質問ですが、結論から申し上げますと、基本的には気にされる必要はありません。
まず、転職によって住宅ローンの返済額等に影響が出るのかというご質問についてですが、一般的に言いますと、影響が出るということは考えにくいです。
住宅ローンの審査の際の条件と変わってしまったということで、ご心配されているようなのですが、審査に通って、実際に返済が始まってしまったあとでは、特に影響はありません。
したがって、気にされる必要もありません。
たとえば、住宅ローンの審査の際には、その時点での勤続年数や扶養家族の人数なども考慮に入れられて審査されますよね?
勤続年数ですと、あまり短すぎると審査に不利に働き、長い方が有利というのは、ご存知かと思います。
そこで考えていただきたいのですが、転職されるまで、それからずっと同じ会社に勤めていらっしゃったと思いますので、審査の時にくらべると、勤続年数も長くなっていましたよね?
でも、銀行の側から、勤続年数が長くなったから返済額等を見直す、なんて連絡は一切なかったかと思います。
住宅ローンの審査の際の告知というのは、あくまでその時点で住宅ローンの審査に通るかどうかを決めるためのものですので、返済が始まったあとで状況が変わっても、基本的には影響はありません。
毎月、きちんと返済が続けば、銀行側にとっても特に問題がないということになります。
ですので、転職の住宅ローンへの影響に関しては、気にされる必要はありません。
また、転職の事実に関してですが、連絡されたければされても構いませんが、連絡されなくても特に問題はないと思われます。
ただし、以上はあくまでも<転職後に、以前と同じように返済を続けていける>場合の話です。
<転職やリストラ等によって、この先の返済が困難になりそうな場合>には、そのむね、早めにご連絡されて、協議の上で対策を考えられた方がよいでしょう。
あと、念のため、書き添えておきますが、以上はあくまで、<住宅ローンの審査に通って、返済が始まったあとで転職した場合>の話です。
<住宅ローンの審査中に転職された場合>には、この限りではありません。
と言いますか、はっきり申し上げますと、審査中に転職された場合には、そのむね、きちんと銀行側にご連絡されて、審査自体をやり直す必要があります。
住宅ローンに転職が与える影響に関しては、転職時期が住宅ローンの審査中か返済中かによって、大きなちがいが出てきますので、きっちり分けて考えていただくことが重要となってきます。