Q.住宅ローンの優遇金利とは、どのようなものなのでしょうか?
マイホームの建築を計画し、様々なインターネット上で住宅ローンの情報を集めています。近々の計画ではないのですが、“ローンの概要”や“金利に関する仕組み”などについて現在勉強中です。
金利に関する仕組みに関しては、専門用語などが多く非常に複雑で苦労しています。特に「優遇金利」について分からないことが多々あります。
優遇金利ということから、お得な仕組みであることは分かるのですが、優遇金利を明記していない住宅ローンも多く困っています。
優遇金利に関する詳細や、各住宅ローンの比較方法、また優遇金利について注意点などを教えて下さい。
A.優遇金利は、通常の店頭金利から優遇幅を割り引いた金利です。
最初に、優遇金利に関してどのような仕組みなのかを説明しましょう。
優遇金利というのは一定の条件を満たすと適用される金利のことです。優遇金利は各種キャンペーンなどによって適用される特別な金利を示しています。
住宅ローンには店頭金利と適用金利という金利があります
店頭金利
「店頭金利」というのは、住宅ローンを借り入れる際に金融機関が定めている住宅ローンの基準となる金利です。店頭金利は銀行が独自に定めている金利なので、各銀行によって異なった金利を設定しています。
店頭金利は住宅ローンの金利を算出する上で基準となる金利と考えて良いでしょう。
適用金利
「適用金利」は基準となる各種優遇金利を適応して算出された実際に適用される金利です。各種金利優遇が適用されれば店頭金利よりも低い金利でローンを組むことができます。
優遇金利
優遇金利というのは金利の優遇を受けて低く設定された適応金利であり、顧客側から見れば優遇されているということから使用される金利の名称なのです
優遇金利は適用金利を計算する際に適応される金利です。優遇金利という概念は少々ややこしいのですが、“優遇を受けられた場合の金利の目安”というのが正しい認識です。
優遇金利を明記していない住宅ローンは実際に数多くあります。優遇金利というのは金利割引サービスよる金利であることから、このようなワードを使用しない住宅ローンがあるためです。
優遇金利を明記していない住宅ローンでも優遇金利に該当する数値を算出することは可能です。
例えば「店頭金利よりも-0.5%優遇」というような表記があった場合には《店頭金利-0.5=優遇金利》という計算式で優遇金利に相当する金利を知ることができます。
優遇金利はローンを組む際に適用される金利ではありませんが、ローンの金利を比較する場合の目安にすることができます。
優遇金利の注意点
優遇金利はローンの金利を知るための重要な目安になるのですが、優遇金利には比較する際の注意点があります。
優遇金利には適応される期間に応じて二つのタイプに分けることができます。
優遇金利のタイプは金利を比較する上で重要なポイントとなるので確りと覚えておきましょう。
〈当初期間優遇金利〉
当初期間優遇金利はローンの返済期間のうち“一定の期間に金利が優遇される”という優遇金利です。優遇金利の適応される期間は住宅ローンの商品毎に異なります。
例えば10年間は1.2%と高い金利優遇を受け、その後は割引率を低くした0.5%程の優遇を受けられるというものです。
当初期間優遇金利はローン開始時の負担を軽減できるというメリットがあります。
全期間一律優遇に比べると、ローン全体の金利の負担は大きくなってしまいますが“金利優遇期間内に家計を安定させる”ということが可能です。
〈全期間優遇金利〉
全期間優遇金利はローン完済まで一律の金利優遇を受けられるというものです。
ローン支払いの全期間に優遇金利を受けられるということから、全期間優遇金利は計画的にローンを組むことができるというメリットがあります。
〈その他の注意点〉
当初期間優遇金利や全期間優遇金利は優遇金利を決定するための仕組みです。ローン全体の金利を決定する固定金利や変動金利といった金利の計算とは異なります。
長期固定金利以外では、契約時に金利が維持されるわけではなく、利率更新日に店頭金利や優遇金利などから新たに算出されます。