Q.住宅ローンでは、金融会社に優劣があるのでしょうか?また、どのような優劣があるのでしょうか?
私は30歳の既婚者なのですが、現在、新築一戸建てのマイホーム建築のために住宅ローンを比較、検討しています。
各社ローンを比較していると、金利の違いによる優劣やローンの優遇サービスなどに違いがあるというのは分かるのですが、様々な金融機関のローンを比較していると、金利やサービス以外にも違いがあるように思えてなりません。
金利などの条件などが同様である場合、信用金庫とネット銀行では具体的な違いや優劣というものがあるのでしょうか?
可能であれば、金融機関のカテゴリ(銀行、ネット銀行、信用金庫など…)による違いについても教えてください。
A.利用者側に有利不利というような優劣は存在します。しかし、上手にローンを選ぶためには、自分に合ったローンを選ぶことが大切。
住宅ローン選びにおいて何をメリットと考え、何をデメリットに考えるのかということは千差万別です。上手な住宅ローン選びには自分にとってのメリットとデメリットを明確にするということが大切です
そこで、住宅ローンにおける一般的なメリットとデメリットを紹介します。
住宅ローンは優劣ではなくバランス
“金利が低くて低リスク”というような夢のような商品は残念ながら存在しません。
金利の低い住宅ローンは変動金利型ローンであり、変動金利には変動によるリスクが伴います。
逆に金利を固定する固定金利ローンでは金利が固定されるという反面、金利は高めに設定されます。
これは金利情報のリスクを誰が追うのか?ということが重要になります。銀行側がリスクを負うことは金利が高くなるということに影響し、利用者がリスクを負うことは金利が低くなるということに影響します。
住宅ローンはこのようなデメリット(リスク)とメリットのバランスで成り立っています。個人的な評価では各住宅ローンに優劣を感じてしまうこともありますが、ローンの優劣はローンを完済してみるまでは分からないというのが真実といえるでしょう。
住宅ローン選びでは広告に踊らされず自分の価値観で選ぶ
各金融機関の広告内容の全てを比較してはいけません。住宅ローンのサービスに違いがあっても自分にとって必要のないメリットやデメリットであれば比較の要素には含めずに無視しましょう。
例えば対応は「窓口でもウェブサイト上でも構わない」という場合には“窓口対応可能”や“手続きの殆どがウェブ上で可能”というようなサービス内容は無視しても構いません。逆に、「窓口での対応でないと安心できない」という場合には、窓口対応の可能な住宅ローンをピックアップしましょう。
このように“提供されるサービスが個人的に必要であるか?”ということは非常に大切な判断基準です。本当に必要なサービスだけをピックアップすることは自分に最適な住宅ローンを選ぶための手助けになります。
金融機関のカテゴリによるサービスの傾向
では、続いて金融機関のカテゴリによるサービスの傾向についてご紹介しましょう。
ネット銀行
ネット銀行は店舗を持たない、又は店舗数が少ないという特徴があります。というのもネット銀行の多くが“支店を持たないことで有利なサービスを提供”しているためです。
ネット銀行の住宅ローンは比較的に金利が低い傾向にありますが、サポートに関しては得意ではないという特徴があります。直接相談をしながらローンを組み立てたいという方には、やや不向きな住宅ローンといえるでしょう。
都市銀行
都市銀行は大都市に本拠地を置く広域の銀行です。広域にサービスが行われているので、地域に関係なく利用できるという特徴があります。都市銀行の住宅ローンは金利が低く各種利便性の高いサービスを受けられるという利点があります。一方で都市銀行のローン審査は厳しいという傾向にあります。
審査の厳しい都市銀行のローンの審査を通るには、ある程度の頭金が必要です。
地方銀行
地方銀行は全国地方銀行協会に加盟する銀行です。地域との繋がりが強く地域経済に大きな影響力があります。企業を顧客とする都市銀行に比べて、地方銀行は主に個人を顧客としていることから窓口などの対応も良いという傾向があります。
ローンの計画を対面対応でしっかりと立てたいという場合には地方銀行の住宅ローンがオススメです。
信用金庫
信用金庫(通称:しんきん)は信用金庫法に基づいた地域の相互扶助を目的にした組織です。他の金融機関とは異なり利益優先ではなく地域の活性化というのが信用金庫の目的です。信用金庫の住宅ローンは居住する地区内であれば会員資格に制限が無く利用することが出来ます。
信用金庫は主に事業主や中小企業の事業者などに向いた住宅ローンの融資を行なっています。
労働金庫
労働金庫(通称:ろうきん)は労働金庫法に基づいた労働者の相互扶助を目的とした組織です。他の金融機関とは異なり利益優先ではなく労働組合や生活協同組合の組合員の生活向上を目的としています。労働金庫の住宅ローンは基本的に労働組合の組合員に対して融資を行なっています。